森町の公園に、「茅部(かやべ)の栗林」という北海道指定天然記念物があります。栗の実は小さいのですが、とても甘い実がなる木なのです。
昔、森町には、それはそれはたくさんの栗を含む木が生えていて、木の生い茂った所というアイヌ語「オニウシ」は、町名の由来にもなっているのです。
さて、その茅部栗にはアイヌの方たちの伝説が残されています。町内の方にもあまり知られていないお話なのですが、かなり前の町広報誌に連載されていました。
今回、このお話を絵本にするというプロジェクトを、ネイパル森の社教主事が中心となり立ち上げ、町内の中学校・高校の熱心な協力により、手作りの絵本が完成しました。
森高校の生徒さんが原文をわかりやすく要約し、登場人物のキャスティングを行い、町内の森中学校の生徒さんが物語文を作成、砂原中学校の生徒さんたちが絵を描きあげてくれた、まさに次代を担う生徒さんの協力によって完成した力作です。
当初は、予算がなく電子データにする予定だったのですが、ネイパル森の指定管理者である私達、”NPO法人森の仲間たち”が、「子供たちのためなら」と印刷製本費を捻出し、素敵な絵本として完成したのです。
完成して納品された昨日、NPO法人森の仲間たち理事長から高校生の代表に絵本が手渡されました。そして今日、3月1日の卒業式に、制作に携わってくれた生徒さんに、絵本が渡っていることと思います。
今回の取り組みで、制作に関わってくれた中高生は、森町にある天然記念物の茅部栗を真剣に調べ、絵本制作に取り組む過程で、自分たちの町の誇りにも気づくきっかけを得ました。こうして、子供たちが自分の住む町・地域を知り、誇りに思えることは、教育の根本だと思うのです。
絵本は、この後、町内の各小中高校に1クラス分と、図書館などにも寄贈する予定です。
この絵本をたくさんの方に見ていただいて、森町の素晴らしさに触れていただけると嬉しいです。
なお、ネイパル森にも数冊用意しています。「絵本見に来たよ~」って事務室にお声がけください。